「学校を休んでゲームばかりして、ずるいと思う」
不登校の子どものきょうだいや、同級生からそんな言葉が出てくることがあります。言われた本人はもちろん、それを聞いた保護者もどう対応すればいいのか悩んでしまうのではないでしょうか。
この記事では、「不登校はずるい」と言われる場面ごとの背景と、保護者としてできる対応について整理します。
「ずるい」と言われる場面は大きく2つある
ひとことで「ずるい」と言っても、誰から見た「ずるい」なのかによって、背景も対応も変わってきます。
- 同級生から言われる場合:「学校に来なくていいなんてずるい」「サボっているだけでは」といった言葉
- きょうだいから言われる場合:「家にいてゲームもできて、注目もされていてずるい」という不公平感
どちらも根っこには「自分は我慢しているのに、あの子だけ楽をしている」という気持ちがあります。まずはこの感情自体を否定せず、受け止めるところから考えてみましょう。
なぜ「ずるい」と感じてしまうのか
学校に通っている側からすると、不登校の子どもが家で好きなことをして過ごしているように見えることがあります。特に、外から見えにくい不安や体調の波は伝わりにくく、「元気そうなのに、なぜ学校に行かないのか」という疑問につながりやすいものです。
また、きょうだいの場合は「注目をとられている」という感覚も加わります。不登校の子どもに親の時間や気持ちが向きがちになる中で、学校に通っている側が「自分ばかり我慢するのが当たり前になっている」と感じてしまうのは、決して不自然なことではありません。
大切なのは、「ずるい」という言葉の裏にある本当の気持ち――しんどさや、見てほしいという思い――に目を向けることから始めてみることです。
本人が同級生から「ずるい」と言われたとき
不登校の子ども自身が周囲から「ずるい」「サボっているだけ」と言われると、ただでさえつらい状況がさらに苦しくなってしまいます。
この場合、まず保護者ができるのは、「あなたが悪いわけではない」とはっきり伝えることです。不登校は本人の気力ややる気だけの問題ではなく、心身の状態や環境が重なって起きるものだと、日々の言葉の端々で伝わるようにしていくことが助けになります。
同級生との関係が本人にとって大きな負担になっている場合は、学校や担任、スクールカウンセラーに相談し、クラスでの人間関係について間に入ってもらうことも一つの方法です。
きょうだいが「ずるい」と感じているとき
学校に通っているきょうだいが不公平感を訴えてきたときは、まず「不登校の子を弁護する」よりも先に、その子自身の話をじっくり聞くことを優先してみてください。「ずるいと感じたんだね。何が一番イヤだった?」というように、感じていることそのものを受け止める姿勢が大切です。
そのうえで、「今はこういう理由でこういうサポートが必要な時期なんだ」と、年齢に応じて分かる範囲で状況を説明すると、納得しやすくなることがあります。
また、全員に同じルールを一律に当てはめるのではなく、それぞれの子どもに合った関わり方をすることも「公平さ」の一つの形です。学校に通っているきょうだいとも、意識して二人だけの時間をつくるなど、その子自身が大切にされていると感じられる機会を増やしておきたいところです。
きょうだいへの「連鎖」を心配しすぎなくていい理由
ここまでの「ずるい」という気持ちとあわせて、きょうだいについてもう一つよくある不安に触れておきます。きょうだいのどちらかが不登校になると、「もう一人も不登校になるのでは」と不安になる保護者もいます。
ただし、きょうだいで不登校が続けて起きたという事例があるとしても、それだけで「きょうだいに連鎖する」と決めつけられるわけではありません。学校に通っているきょうだいが学校を休みがちになったときも、「連鎖してしまった」と決めつけるのではなく、その子自身に何が起きているのかを個別に見ていくことが大切です。
進路を考えるタイミングで知っておきたい選択肢
「ずるい」という感情のもとには、学校に通う・通わないという選択肢の少なさが影響していることもあります。実際には、全日制以外にも、通学頻度を選べる通信制高校など、さまざまな学び方があります。
N高等学校のように、週1日からの通学コースや、自宅で完結するネットコースを選べる学校であれば、本人の状態に合わせて無理のないペースで学校生活を組み立てていくことができます。進路の選択肢を知ることは、本人だけでなく、きょうだいが「学校に行く・行かない」を二択で捉えすぎないようにするうえでも役立ちます。
まとめ:「ずるい」の裏にある気持ちに目を向ける
「不登校はずるい」という言葉は、同級生からもきょうだいからも出てくることがありますが、その裏には「自分もしんどい」「見てほしい」といった気持ちが隠れています。
誰かを責めたり弁護したりする前に、それぞれの子どもの気持ちに耳を傾け、状況に応じた関わり方を探っていくことが、家族全体にとって無理のない道につながります。

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